「変換効率」を踏まえた太陽光発電パネルの選び方

先日、太陽光発電技術の発展を目的とした「革新的太陽光発電技術研究開発」プロジェクトの一環として、電機メーカー大手のシャープが、太陽電池の「変換効率」としては世界最高の44.4%を達成しました。

この「変換効率」は、太陽光利用の効率を表す重要な指標で、同社の偉業はスマートハウス業界で大変な話題になりました。今回は、この「変換効率」についてご紹介します。

変換効率とは?

太陽の光はエネルギーを持っています。そのエネルギーの量は日本では真夏の正午で1平方メートルあたり1キロワット(1kW=1,000W)程度になります。この太陽光のエネルギーのうち、何%を電力に変換できるかを「変換効率」という値で表します。この変換効率は太陽光発電のパネルの性能を表す指標のひとつとして用いられます。

変換効率は太陽電池の種類や製造法によって大きく変わります。一般的には変換効率は  HIT>単結晶シリコン>他結晶シリコン>CIS>薄膜の順番になりますが、変換効率の高いパネルは装置の価格も高くなります。したがって、変換効率が高いパネル=発電量が多い=おトクというわけでもありません。

今回は、この「変換効率」を踏まえた太陽光発電パネルの選び方について解説します。

変換効率が「高い」「低い」、どちらを選べばよい?

専門的な話をすると難しくなりますので、正確ではありませんが、簡単なモデルにして説明します。

同じサイズで効率が高く、価格も高いパネルと普通のパネルがあるとします。

定格出力と単価の違いパネルの面積は1.2㎡で両方とも同じとします。

簡易な方法で変換効率を計算しますと、①は0.25/1.2=20.8%、②は0.2/1.2=16.7%で、①のほうが効率は高くなります。

 

CASE1:このパネルを使った1kW(1,000W)のシステム費用を考えます。

①のパネルは4枚で1 kWになり費用は8×4=32万円かかります。

②のパネルは5枚で1 kWになり費用は6×5=30万円です。

1kWのシステムの発電量は、①・②ともほぼ同じです。よってシステムの容量を同じ条件にすると高効率パネルが得になるわけではありません。

 

CASE2:今度は、小規模住宅の屋根の上で、パネルを設置するスペースが4枚分しかないという条件で両者を比較してみます。

①のパネルは32万円で1kWのシステムが組めます。

②のパネルは24万円で0.8kWのシステムが組めます。

限られたスペースでより多い容量のシステムを組みたい(より多くの発電量を確保したい)場合※は、高効率パネルが有利になります。

※住宅用の太陽光発電は余剰買取制度となり、大容量システムほど売電量(余剰電力)が多く確保できますので、狭小住宅では高効率パネルのニーズが高くなっています。

用途が変われば選び方も変わる。

この考え方を、太陽光発電パネルの住宅以外の市場での使われ方で説明します。

・人工衛星

人工衛星

人工衛星は、ロケットに搭載して重力に逆らって打ち上げられ、また宇宙空間の浮遊物との衝突リスクを低減したいため、多少コストが高くても少ない面積で多く発電する高効率パネルが必須になります。

・ メガソーラー

メガソーラー

逆に、遊休地を利用したメガソーラーのような場合は、面積の制限はほとんどありませんので、定格出力のWあたり価格が安いものを使った方が得になります。

このように変換効率の値が高いか低いかではなく、その特徴を理解し用途に合わせて最適なシステムを組むことのほうがより重要です。

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