六本木ヒルズを支えた『マイクログリッド』とは? 地元で作ったモノを消費する“地産地消”というトレンドを耳にしたことがある方は少なくないかと思います。これは食べ物や商品に関する傾向を指すことが多いのですが、最近では、“電力も地産地消”する動きがあるそうです。

大規模発電所に依存しない、最小サイズの発電システム

2011年の夏、東日本大震災の影響を受け、東京で計画停電が実施された際、港区にある六本木ヒルズでは、周辺の建物が停電したときにも電気の供給が途絶えなかったと言います。
これは、六本木ヒルズが「ガスコージェネレーション」と呼ばれる、クリーンな天然ガスを用いて発電し、その際に発生する排熱を冷暖房や給湯などに利用する省エネルギーシステムを導入していたためです。
このシステムは、大規模な発電所からの送電系統とは切り離され、独立して運転ができるように設計されているため、六本木ヒルズは自力で発電し、店舗や施設、入居する企業などは大きな影響を受けることなく、稼働することができました。
このように、既存の大規模発電所からの送電電力にほとんど依存せずに、エネルギー供給源と消費施設をもつ小規模なエネルギー・ネットワークを『マイクログリッド』と呼びます。
マイクログリッドは、先ほどのガスコージェネレーションや、太陽光発電、風力発電、バイオマス発電などを行う分散型電源を備え、接続された住宅、オフィス、学校など、エネルギーを必要とする施設ネットワーク全体を、IT技術を駆使して管理運転することが特徴です。

沖縄宮古島では全島規模で電力消費制御も

日本国内でその存在を知られるようになったのは、2000年代からでしょうか。NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が2003年から5ヶ年計画で行った研究開発「新エネルギー等地域集中実証研究」基本計画では、「愛・地球博」(愛知万博)、京都府京丹後市の「京都エコエネルギープロジェクト」、青森県八戸市の「水の流れを電気で返すプロジェクト」などで、実証研究が行われました。
そうした研究を踏まえ、最近では日本各地でプロジェクト化しています。やや規模の大きい事例ではありますが、沖縄電力は地元宮古島で離島向けマイクログリッド事業を行っており、全島の電力消費を最適制御するシステムを導入し、再生可能エネルギーの本格導入を目指しています。
マイクログリッドは日本だけではありません。米国の市場調査会社Navigant Researchによると、世界中で480件以上のプロジェクトが提案、計画、建設、運用されており、容量は3,800MWにのぼるという。ちなみに、この動きを世界でけん引するのは北米。2,505MWを計画、提案、導入しているそうです。
“できるだけ化石燃料ではなく、クリーンな再生可能エネルギーにシフトしていこう”とするエコ意識の高まり、そして“安全な供給源から安定して電力を取り入れたい”とする電力に対するセーフティー意識の高まりに、『マイクログリッド』は応えてくれるシステムと言えるでしょう。

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