太陽光発電に向いている家ってどんな家?

「次に家を新築する、もしくは改築をするときは太陽光発電の家にするかな」とお考えの読者の方はいらっしゃるかもしれません。もし具体的に検討を進める際に、ぜひ頭の片隅に入れていただきたいことがあります。

それは、「太陽光発電に向いている家と、そうでない家がある」ということです。太陽光エネルギーは、いわずもがな自然エネルギーの一種。つまり、自然=家のまわりの環境や気候に影響を受けることがあるのです。

そこで今回は、「太陽光発電への向き不向きを左右する要因」と「向いている家の特徴」をご紹介します。住宅メーカーなど専門家に相談する前にあらかじめ知っておけば、家を設計する際に役立つかもしれません。

「都道府県」によって向き不向きはあるの?

太陽光発電による創エネルギーを最大化するには、より多くの太陽光をパネルに浴びさせることが必要です。理由は、太陽電池の仕組みにあります。太陽電池は、太陽の光が持つエネルギーを吸収して、電力に変えます。せっかくのエネルギーが熱に変わってしまう前に、電力として有効活用するのです。

(参考)自然エネルギーを利用: 太陽光発電で電気が創られる仕組みとは?

つまり、太陽光発電への向き不向きは、パネルが太陽光を浴びる量の多さとも言い換えることができます。さて、前置きが長くなりましたが、その向き不向きを左右する要因のひとつ目は、「地域」です。

ここでいう「地域」とは、日本全国のどこに家が位置しているかということを指します。地域が異なれば、日照時間も気温も日射量も異なるため、地域が太陽光の浴びる量に影響を与えるのです。

結論から言うと、「発電量に地域差はあるものの、太陽光発電にまったく向かない地域はありません」。例えば、北海道の札幌と関東地方の東京都の日照時間は比べてみるとほぼ同じです。また、北海道は雪の多い地域ではありますが、日の差す時間帯はあり、加えて本州とは異なり梅雨がありません。さらに、太陽電池には寒冷な地域の方が発電効率が高いという性質があり、発電量の差は無くなっていきます。

太陽光発電に向かない地域はないものの、どこがより向いているのか。参考までにご紹介しましょう。平成20年に新エネルギー財団のデータに基づいた資源エネルギー庁の公開した資料によると、年間発生電力量が最も大きかったのは高知県(1,114.96kWh/kW)、続いて山梨県(1,104.80kWh/kW)、静岡県(1,101.50kWh/kW)という結果に。地域による特徴はさほど見られませんでした。

しかし、潮風の影響を受ける「塩害地域」には気をつけた方がいいでしょう。潮風に含まれる塩分は、太陽光パネルのモジュールの回路や固定するための金属を腐食させてしまう恐れがあります。ですので、耐蝕素材を用いたモジュールを使う必要があるのです。この点については、具体的に検討する際に専門家に詳しく相談した方がよいでしょう。

(参考)資源エネルギー庁の資料(平成20年10月)

方角は「南向き」、角度は「30度」がベスト。

太陽光発電への向き不向きを左右するのが、その「方角」「角度」「面積」です。まず、方角については、断然「南向き」がオススメです。“洗濯物を干すなら南向き”、とお考えの方が多いかもしれませんが、それと同じ理屈です。一般社団法人太陽光発電教会によると、同じ条件下(傾斜角度30度)で南向きに設置した太陽光パネルで発電した電力量を100%とした場合、南西・南東向きが約96%西・東向きが約83%北向きは約62%にまで落ち込みます。

角度は、30度がオススメ(東京の場合)。日射量が最大化される角度だそうです。面積は、太陽電池の容量を10倍した数値が必要です。1kWの容量を確保するために必要な面積=10㎡ということになりますので、検討する際には屋根の広さと太陽光パネルの種類のバランスを考慮することになります。

ちなみに「陰」についても注意が必要です。山、ビル、樹木、電柱などによるの薄い陰が太陽光パネルに掛かった場合も、周囲からの散乱光により発電量はゼロにはなりません。しかし、発電量は低下してしまいますので、できる限り周囲の建物などの環境にも気を配った方がよいでしょう。

(参考)太陽光発電教会公式ウェブサイト

最後に、屋根の「素材」について。素材は、太陽光発電パネルの設置可否を左右する場合があります。例えば、太陽電池と屋根とをつなぐ土台として機能する「垂木」があるか、コンクリートのパネルを屋根としてはめ込んでいないか、など。素材によっては、太陽光パネルのメーカーが限られたり、設置そのものが難しくなることもありえます。

以上の注意点を頭の片隅に入れつつ、具体的に検討を進める際には、必ず住宅メーカーなど専門家に相談しましょう。

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