住宅と電気自動車が連携する「Vehicle to Home(V2H)」ってなに?

「Vehicle to Home(V2H)」という言葉を、ニュースや新聞などでよく目にすることが多くなってきました。しかし、その意味を正しく理解しているという人は少ないのではないでしょうか。この記事では、押さえておきたいV2Hの基本的な内容、そして最新技術が商品化された事例についてご紹介します。

「Vehicle to Home」って何?

Vehicle to Homeとは、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド自動車(PHV)、燃料電池車(FCV)などの自動車が蓄電池に蓄えた電力を家庭用電力として利用する動きのことを指します。

DENSO「Vehicle-to-Home Power Supply System」より

DENSO「Vehicle-to-Home Power Supply System」より

自動車を敷地内に駐車している間は、自動車の蓄電池を家庭内の発電システムの一部として、充電・放電するという双方向な電力のやりとりを行うことができます。

このV2Hを実現するには、自動車の蓄電池が蓄積している直流の電力を家庭で利用できる交流の電力に変換しなくてはなりません。そのため直流/交流変換回路を用意する必要があります。

V2Hを住まいにどう活かす?

家庭でV2Hを導入する大きなメリットは、安価な深夜電力で自動車を充電しておくと、昼間のピーク時に電力会社からの電力を使わずに済ませるピークシフトが可能になることが挙げられます。

JAPAN SMART CITY PORTAL「EV使い様々な施設の電力需要平準化を目指すV2X」より

JAPAN SMART CITY PORTAL「EV使い様々な施設の電力需要平準化を目指すV2X」より

さらに、自動車と太陽光発電などの自家発電システムを接続し、電気供給力を上げることもできます。昼間は太陽光発電システムからの電力をメインに利用しながら自動車を充電し、夜間は自動車からの電力を家庭で利用するとよいでしょう。

また、停電時に蓄電池の電力がどうしても足りなくなった場合、充電ステーションまで自動車を走らせて充電してくることも可能です。非常時に電力を供給しやすい点は自動車ならではの強みです。

各社でのV2H商品化への取り組みは?

近年、V2Hの取り組みは自動車メーカー各社で始まっています。各社が東京モーターショー2013に出展した自動車をご紹介します。

日産自動車は、自動運転技術を備えた「日産リーフ」を出展しました。同社では2020年以降、幅広いラインナップに同技術を搭載することを目指しています。日産リーフでは2012年夏から、専用のEVパワーステーションを設置すると、日産リーフを家庭用電源として使えるシステム「LEAF to Home」の提供を開始しました。EVパワーステーションには充電開始時刻を設定したり、日産リーフから家庭への給電開始・停止時刻などを設定できる機能もついています。

トヨタ自動車は、水素と酸素を化学反応させて発電しモーターで走行するFCV(燃料電池車)の試作車「FCVコンセプト」を世界初出展しました。トヨタの長年培ってきたハイブリッド技術を応用したコアテクノロジーが採用されています。ガソリンに代わる燃料となる水素を約3分間で補給し、500km以上走行できるほか、一般家庭で使用できる電力を1週間以上供給できることで期待が高まっています(一般家庭の日常使用電力を約10kWhとした場合)。

電気自動車の購入、月々の充電にかかる費用はどのくらい?

これらの電気自動車の購入や月々の充電にかかる費用はどれくらい必要なのかは知っておきたいところです。

たとえば日産リーフS(メーカー希望小売価格2,989,350円)の場合、自動車の購入に関しては国から最大78万円支給される「クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金」を活用すると、約220万円で購入できます。この補助金額は購入金額に応じて変動します。

さらに、家庭での受給電に必要なEVパワーステーション(メーカー希望小売価格は567,000円)も購入する必要があります。導入時には、国からの補助金として最大24万円が支給されます。補助金を最大限に活用した場合、実質的な負担額は32.7万円となります。補助金を活用することで、EVやPHVなどの自動車を通常より安価で手に入れて、V2Hを実現することができます。

長い目で見たときに電力を効率よく利用できるV2H、今後家庭への導入を検討していきたいですね。

関連記事